小学生でも分かるトルクと馬力の話 
(本当に早いクルマとは?)


 3. 馬力とは
  3-1. 1馬力でできる事
  3-2. 馬力からスピードを計算する
  3-3. 風の抵抗
  3-4. 馬力とワットの関係
  3-5. 人間の馬力
  3-6. 自転車の馬力
  3-7. 馬力とトルクのジレンマ
  3-8. ワークとエネルギーとパワーの関係
  3-9. 英語と算数の勉強

第3章: 馬力とは
(馬力が分かれば、スピードが分かる)


3-8. ワークとエネルギーとパワーの関係


それではここで、ここまでの整理を兼ねて、前記しましたフォース、パワー、トルク、それとワーク(仕事)について、まとめておこうと思います。

英語 日本語 意味
フォース 物を押す力
トルク トルク 物を回転させる力 力×長さ
ワーク 仕事 仕事をした(物を動かした)能力 力×距離
エネルギー エネルギー 仕事をする(物を動かす)能力 力×距離
パワー 力(仕事率) 単位時間に仕事をする能力 力×距離/時間

上表の様に、日本語には英語に対応しない単語があるので、この辺の話を分かり難くしているのかもしれません。

なおワークとエネルギーは作業する前後の違いで、同じものだと思って構いません。

ただしパワーだけ、単位時間当たりの仕事(もしくはエネルギー)になりますが、物理ではこう決めた(定義した)というだけですので、余り悩む必要はありません。

2倍の早さで仕事をすると4倍疲れる


仕事とエネルギーとパワーの関係が分かった所で、ここで面白い話をしたいと思います。

例えば、いつもは1時間掛かる仕事を、今日は頑張って30分で片づけたとします。

使ったエネルギーは、いつもの2倍でしょうか?

恐らく誰しもそう思うかもしれませんが、実は使ったエネルギーはいつもの4倍なのです。

この理由ですが、下の運動エネルギーの式から推測する事ができます。

運動エネルギー=1/2 x 質量 x 速度の2乗

これは、ある物体が等速度で動いている場合の運動エネルギーを表しています。

ですので、もし物体の速度が2倍になると、その物体の運動エネルギーは、速度の2乗ですので4倍になる事を示しています。

逆に言えば、ある物体を2倍の速度で移動させるためには、4倍のエネルギーを必要とするという事です。

これを人に当てはめるとすると、2倍の早さで荷物を運ぶとすると、4倍のエネルギーを必要とするという訳です。

実際遅刻しそうになって、普段の2倍の早さで走ると、かなりへとへとに疲れる事から、何となく分かって頂けるのではないでしょうか。

仕事は早い方が良いと盲目的に思われていますが、(仕事の種類にもよりますが)使うエネルギーは早さの二乗に比例して増大する事を忘れてはなりません。

だったら通常の早さで、4倍の仕事をした方が合理的と言えます。

もっと言えば、もし時間に余裕があるのでしたら、通常より半分の早さで仕事をすれば、使うエネルギーは1/4で済む事になります。

という事は、のんびり仕事をすれば、同じエネルギーで4倍の仕事ができる事になります。





3-9. 英語と算数の勉強


前述の表は小学生にも分かるように非常に簡単にまとめたので、日本語と英語を含めて計算式も正確にまとめておきましょう。

やや難しいのでスキップして頂いても構いませんが、これが何となく分かると物理が楽しくなり、且つクルマの特性がより正確に理解できます。

また国際単位では、力(フォース)の単位をN(ニュートン)、仕事の単位をJ(ジュール)、パワーの単位をW(ワット)で表しますが、ここでは割愛します。

英語 日本語 意味 単位
Mass 質量 引力(別の物と引き合う力)の強さを表す量(それ自体に重さはない) kg
Force 質量(Mass)kg×重力加速度(gravitational acceleration)9.8m/s2 kgf
Torque トルク 力(Force)kgf×長さ(Distance)m kgf・m
Work 仕事 力(Force)kgf×距離(Distance)m kgf・m
Energy エネルギー 力(Force)kgf×距離(Distance)m kgf・m
Power
(仕事率)
仕事(Work)kgf・m/時間(Time)s
トルク(Torque)kgf・m×回転数(Rotation)無し / 時間(Time)s
kgf・m/s
Hose
Power
馬力 仕事(Work)kgf・m/時間(Time)s X 0.0014
トルク(Torque)kgf・m×回転数(Rotation)無し / 時間(Time)s X 0.0014
PS

上記を見て頂けます様に、元々欧米で考えられた概念ですので、日本語より、英語のまま覚えた方が分かり易いと思いますがいかがでしょうか?

なおここでは本文に合わせるため回転数をRotationと訳しましたが、欧米ではAngle(回転量)の方が一般的です。




3-8. ワークとエネルギーとパワーの関係

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3-7. 馬力とトルクのジレンマ

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第4章: エンジン性能曲線






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