階段を使って箪笥を運ぶと、上と下のどちらが重い? 


目次


はじめに
板を階段で運ぶ場合
箪笥を階段で運ぶ場合
まとめ

はじめに


うっかり知り合いの家に引っ越しの手伝いに行くと、二人で重い荷物を運ぶはめになります。

平らな所ならまだしも、狭い階段で運ぶとなると、結構大変です。


どちらが重い?

そしてそのとき、ふと思うのです。

上と下ではどちらの方が重いのだろうかと。

ネットで調べると色々な見解がありますが、重心が荷物の中心にあれば支える重さはどちらも同じというのが主流の様です。

ですが本当にそうなのでしょうか?

ここでは箪笥を例にして、その謎を完全に解き明かしたいと思います。

なお実際に運ぶとなると、押したり引いたりや、箪笥の持ち易さや等も関係するのですが、ここでは単純に荷物を支える力だけを考えてみたいと。


板を階段で運ぶ場合


さて、先ずは簡単な例ととして重い板を階段を使って二人で運ぶ場合を考えてみましょう。

この場合は非常に簡単で、もし板の重心が板の中央にあるとしたら、二人とも均等に重さが掛かります。


板の重心が板の中心ならば、どちらも同じ重さ

早い話が、平らな所で二人で板を持っているのと、何も変わりません。

これは簡単な実験で分かります。

例えば板の両側をバネ秤(ばかり)で吊るして、板を徐々に傾けても左右のバネ秤の値は変わらない事からも分かると思います。

もしバネ秤が身近になければ、手っ取り早く2つの輪ゴムを板の両端に引っ掛けて、伸びた長さからでも簡単に分かります。

それでは次に、板の重心が中心からずれた場合を考えてみましょう。

例えば先ほどの板に重りを吊るして、それを階段で運んだらどうなるでしょう。


これも感覚的に分かって頂けるのではないでしょうか?

重りを下にずらしていけば、下の人が徐々に重くなりますし、重りを上にずらしていけば、上の人がどんどん重くなっていきます。

ですので、重い板を二人で運ぶ場合は、初めに板の片側から持ってみて、軽い方を持つのが、世渡りのコツです。

冗談はともかく、それでは重りをずらすとどれくらい上と下の人の重さが変わるか考えてみましょう。


答えは上の図の通りで、重りの掛かる位置から板の左右端までの長さの比率で求められます。

例えば重りの位置が板の下から2:3の距離の場合(上図左)、下の人の重さと上の重さの比は3:2になります。

また重りの位置が板の下から3:2の距離の場合(上図右)、下の人の重さと上の重さの比は2:3になります。

早い話が、重さは重りの位置に反比例するという訳です。

ですので極端な話、重りが一番下に寄ったら、下で持っている人が重りの荷重を全て負担する事になってしまいます。

本項のまとめです。

①平らな板を階段を使って二人で運ぶ場合、板の重心が板の中心ならば、上の人も下の人も同じ重さが掛かる。

②もし重心の位置が、中央より下に寄れば下の人が重くなり、上に寄れば上の人が重くなる。

その重さの割合は、重心までの距離に反比例する。


ここまでは非常に簡単でしょう。


箪笥を階段で運ぶ場合


板を運ぶ場合が分かったところで、いよいよ箪笥を階段で運んでみましょう。

どうなるでしょうか?

箪笥の場合も、先ずは重心が箪笥の中心部にあるとして考えてみます。


この場合も、上でも下でも重さは同じと思われるかもしれませんが、実は下の方が重いのです。

この理由については、下の図を見て頂ければ簡単に分かって頂けると思います。


箪笥の重心が中央の場合、下の方が重くなる

先ず、重心からの荷重(赤い矢印)は、当然ながら真下に掛かります。

一方、二人が持っているのは箪笥の下の辺(箪笥の太い線)になりますので、重心からの荷重は辺の中心より下側に掛かります。

すなわち、二人で板を持っているとしたら、重りは板の中心より下の方に吊るされている事になるのです。

このため、下の方が重くなります。

ただし、二人が箪笥のどこを持つかによっても、状況は変わってきます。


上図①の様に二人が両端の辺の中央を持ったとしたら、重心の位置は二人の中央ですので、二人の重さは同じです。

次に上図②の様に二人が箪笥の上辺のフチを持ったとしたら、重心から掛かる荷重は上の人に近付きますので、上の人が重くなります。

最後に上図③の様に二人が対角線のフチを持ったとしたら、この場合も二人の重さは同じになります。

本項のまとめです。

箪笥を階段を使って二人で運ぶ場合、箪笥の重心が箪笥の中央にあって、且つ箪笥の下辺を持っている限り、下側の人が重くなる。

ただし箪笥を持つ位置を変えると、同じになったり、軽くなったりする。



まとめ


以上をまとめると、以下の様になります。

①平らな板を持つ場合は、上でも下でも重さは変わらない。

ただし、板の重心が中央にない場合は、重心から離れている方を待った方が軽くなる。

②箪笥を運ぶのには、当然ながら箪笥の下を持つのが普通ですので、階段では上を担当する方が良さそうです。

ただしうっかり下側になった場合、少しでも負担を軽くしたければ、箪笥の上を持つ、もしくは箪笥を肩まで持ち上げると多少改善されます。


少しはお役に立ちましたでしょうか。



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