躊躇する必要はない
サインアウト警告文への対処方法

2017/3:発行
2018/12:更新


1. はじめに


iPhoneやiPadをお使いの方でしたら、下の警告メッセージを1度や2度はご覧になった事があるのでしょう。


そして、このメッセージを見て、慌ててキャンセルをタップしたのではないでしょうか。

なにしろiCloudからサインアウトしようとすると、いきなりご自分のiPhoneから写真やデータが削除されますと、殆ど脅しの様なメッセージが表示されるのですから。

自分の銀行口座にアクセスしてログアウトしようとしたら、”ログアウトすると貴方の銀行口座の入金が削除されます”と表示される様なものです。

なぜアカウントを解除するだけなのに、iPhone内にある写真やデータが削除されるのだ?

誰しもそう疑問に思うのは当然の事でしょう。

ならばとネットで検索すると、このメッセージについて山ほど解説が見られるものの、どれも分かった様な分からない様な曖昧なものばかりで、何故こんなメッセージが出るのか、そして実害は何なのか、そしてその対象方法が何なのかが今一つ良くわかりません。

一体どこの誰がiPhoneは使い易いなどと、とんでもないデマを流しているのでしょうか?

それはともかく、本書ではこの警告文の意味と、何故Appleはこの様なメッセージを平気で表示するのかの理由、そしてその対処方法を理路整然とご説明したいと思います。

なお本書の中には、Apple信者が読むと非常に不快と思われる表現が多数含まれています事、予めお断りしておきます。


結論


お忙しい方のために、この警告文が出た場合の対処方法を先にお伝えしたいと思います。

具体的には、以下の手順でフォトストリームとiCloud Driveを使っていない事を確認した上で、サインアウトしてしまおうという訳です。

①先ずはキャンセルをタップして、この警告文を消して下さい。

②次にホーム画面から、設定→iCloud→写真と辿っていき、マイフォトストリームがONになっているかどうか確認して下さい。


もしONになっていなければ、貴方のiPhoneにはマイフォトストリームによって送られた写真は存在しませんので、手順④で示すiCloud Driveを使っていなければサインアウトして全く問題ありません。

③仮にマイフォトストリームがONになっていたとしても、貴方が使っているApple端末がiPhoneだけでしたら、他のApple端末から写真が送られている事は有り得ませんので、やはり次の手順④で示すiCloud Driveを使っていなければサインアウトして全く問題ありません。

④同じくホーム画面から、設定→iCloud→iCloud Driveと辿っていき、iCloud DriveがONになっていないかどうかを確認します。


もしこれもONになっていなければ、貴方のiPhoneにはiCloud Driveによって送られた書類もデータも存在しませんので、サインアウトしても全く問題ありません。

⑤仮にiCloud DriveをONにしていたとしても、iCloudにデータを送れるのは、MACもしくはウィンドウズPCだけですので、これらを使ってiCloudでデータを送った事が無ければ、サインアウトしても全く問題ありません。

上記手順をご覧頂きます様に、早い話がマイフォトストリームによって送られた写真や、iCloudによって送られたデータが貴方のiPhoneにあるかどうかはiPhone自体は分かっていながら、この様な嫌らしい警告文を常に表示してAppleはユーザーにストレスを与えているのです。

本当に嫌な会社です。


iCloudについて


それでは先ほどの警告メッセージを、順番に紐解いてみたいと思います。

アカウントからサインアウトすると、iCloudに保存されているすべてのフォトストリームの写真とiCloud Driveの書類とデータがこのiPhoneから削除されます。

最初の”アカウントからサインアウトすると”は、正確には”Appleアカウントからサインアウトすると”が正確な言い方です。

そして次のiCloudについては、ご存じでしょうか?

正確を期すために、iCloudに関するApple公式HPの説明を見ておきましょう。


Apple公式HPにあるiCloudの説明

無駄な解説は抜きにして、早い話がiCloudとは、Appleが運営するネット経由でアクセスできるクラウドサーバーの事です。

この中にデータを保存する事で、異なる機器とのデータ共有が比較的安全に且つ容易に行え、更にはiPhoneのメモリーの負担を減らす事ができ、と言うのがネットの礼賛記事ですが、本当にそうかどうかは追々分かって頂けると思います。

それでは次に、iCloudの構成を見ていきたいと思います。


iCloudの構成

上の図をご覧頂きます様に、iCloudにはごちゃごちゃした機能が多数ぶら下がっています。

ですがどれもサーバーでファイルを共有する事に変わりなく、似た様な機能を異なるサービス名を付けて複雑にし、あたかも機能が豊富にある様に見せかけているとしか思えません

それはともかく、ここでお伝えしたいのは、例の警告メッセージに出てくるマイフォトストリームとiCloud DriveがこのiCloudの中に機能上含まれるという事です。

そしてもっと重要な事は、マイフォトストリームとiCloud Driveは、iCloudのほんの一部でしかないという事です。

それを是非覚えておいて頂いた所で、次にマイフォトストリームについてご説明します。

なお既にお気付きかもしれませんが、警告メッセージでは”フォトストリーム”とありますが、正確には”マイフォトストリーム”です。

説明書の基本ルールとして、同じものを指す場合は、決して名称を変えてはいけないという決まり事があるのですが、Appleはそれを知らない様です。


マイフォトストリーム


マイフォトストリームとは何かですが、これについてもApple公式HPにある記述を見ておきましょう。

iCloud: マイフォトストリームの概要

「自分のフォトストリーム」では、iOSデバイスで撮影した写真やコンピュータに読み込んだ写真を、すべてのデバイスに自動的に表示できます。これにより、最新の写真を自分のデバイスすべてに入れることができます。

ここでも、”マイフォトストリーム”を”自分のフォトストリーム”と呼んでいるのに呆れます。

それはさておき、この概要を本書が勝手に書き直すと、以下の様になります。

iCloud: マイフォトストリームの概要

マイフォトストリームとは、30日間有効の無料写真転送サービスの事です。

このマイフォトストリームに似たサービスにiCloudフォトライブラリーがあるのですが、詳しい話が必要な方はこちらをお読み頂くとして、マイフォトストリームの概念図は以下の様になります。


マイフォトストリームの概念図

これをご覧頂きます様に、マイフォトストリームを有効にするとWi-Fi接続時に自動的にMACやiPhoneの写真がiCloudに送られます。

このiCloudに送られた写真は、これまた自動的(勝手)にMACやiPhoneにダウンロードされるという訳です。

ですので、先ほどお伝えしたiCloudを使うとiPhoneのメモリーの負担を減らす事ができるというのは、真っ赤な嘘だといういう事はこれでお分かり頂けたのではないでしょうか?

何故ならばをiCloud使うと、他の機器にあるデータが勝手にiPhoneにどんどんダウンロードされてしまうからです。

メモリー容量の少ないiPhoneを購入した場合は、特に注意が必要です。

ところで上の図において、iPhoneやiPadに送られてきた写真の大きさが、一部小さくなっているのに気付いて頂けましたでしょうか。

これは他の機器からiOS機器に送られた写真は、ダウンロードされる時点で縮小されて保存される事を表しています。

この縮小率は元の写真の大きさによって異なりますが、Appleの説明によれば1200万画素が300万画素程度に縮小される様です。

ですので、うっかりマイフォトストリームでiPhoneに転送したつもりで、iPadの中にある写真を消してしまうと、iPhoneにあるのは縮小された写真だけになってしまうかもしれません。

話は戻って、もし上の概念図の状態でサインアウトすると、iPhoneから消えるのは、他の機器から送られた縮小された写真だけですので、iPhoneにあった元々の写真は残っているのです。

ですので、警告メッセージなど気にせずにサインアウトして全く問題ないと言えます。

ちなみに、ご自分がマイフォトストリームを有効にしているかどうかは、以下の画面(設定→iCloud→写真)で確認できます。


またもしマイフォトストリームを有効にしている場合は、マイフォトストリームから送られた写真は写真→アルバム→マイフォトストリームの画面で確認できます。

ところで、どうしても不可解なのが、何故Appleアカウントをサインアウトするとマイフォトストリームから送られた写真が削除されるのかです。

何故ならば、マイフォトストリームからダウンロードされた写真は、既にiPhoneの中に実在しているからです。

にも関わらず、何故iPhone内の写真が削除されるのでしょうか?

それもユーザーの意思も訊かずに、尚且つ勝手にユーザー所有の機器と電気代を使ってまで。

唯一考えられる可能性は、一つしかありません。

それは後程お伝えするとして、次はiCloud Driveです。


iCloud Driveについて


iCloud Driveについても、マイフォトストリームと似た様なものだと考えて頂いて構いません。

とは言え折角ですのでもう少し詳しく説明すると、iCloudは2011年にリリースされたiPhone 4S(iOS 5)から使える様になったのに対して、iCloud Driveはそれから3年後のiPhone 6(iOS 8)に追加されました。

それ以前のiCloudでは、限られたファイル(写真、メール、カレンダー、連絡先等)しか扱えなかったのですが、iCloud Driveが追加された事により、ようやく一般的(まとも)なクラウドサーバーになったという訳です。

この理由は、(元々その予定だったと言うのでしょうが)GoogleドライブやマイクロソフトのOneDrive等、他社の無料クラウドサーバーに対抗するためなのが本音でしょう。

前置きが長くなってしまいましたが、iCloud Driveの概念図は以下の通りです。


iCloud Driveの概念図

これをご覧頂きます様に、マイフォトストリームと異なりiCloud Driveにアップロードできるのは、MACやWIN PCからだけで、iPhoneやiPadからはできません。(ただし他社製アプリを使うと可能)

またマイフォトストリームが自動だったのに対して、iCloud Driveは手動によるアップロードとダウンロードになります。

おまけにまたマイフォトストリームはiCloudの制限容量とは関係なく使えたのに対して、iCloud Driveはその制限容量内までしか使えません。

ですので、iCloud Driveをお使い方は、マイフォトストリーム以上に稀ではないでしょうか。

ですのでiCloud Driveなんて聞いた事もないという方は、構わずサインアウトして構いません。

なおもし気になる様でしたら、以下の画面(設定→iCloud→iCloud Drive)からiCloud Driveが有効になっていないかどうかを確認します。


万一有効になっていれば、ホーム画面になるiCloud Driveのアプリを起動して、中身を確認します。

iCloud Driveの中に何かファイルが存在しているとしても、そのファイルを共有している他の機器の中にはそのファイルは存在していますので、手元のiPhoneから消えても良いのでしたら、サインアウトしてしまいましょう。

ところで、ここでも同じ疑問が湧いてきませんでしょうか?

なぜAppleアカウントからサインアウトすると、iCloud DriveからiPhoneにダウンロードされたファイルが消されてしまうのか?


疑惑の警告メッセージ


お待たせしました。

いよいよ本題です。

今まで本書を読んで頂ければ、Appleアカウントからサインアウトしても、特別大きな問題は発生しないのが分かって頂けたと思います。


にも関わらず、何故上の様にユーザーを脅かす様な警告メッセージが表示されるのでしょう?

また何故サインアウトするとiCloudからiPhoneに送られた写真やデータが消えるのでしょう?

と言う訳で、ここでは警告メッセージに関する数々の疑問点を整理してみたいと思います。


1. 何故ユーザーを不安にさせる警告メッセージが表示されるのか?


既にお伝えしました様に、確かにサインアウトするとiPhoneにある写真やデータが消えるのですが、消えるのは他の機器から送られた写真やデータで、元々iPhoneにあった写真やデータは残っています。

にも関わらず以下の文章だと、誰がどう読んでも元々iPhoneにあった写真やデータまで消える様に読めてしまいます。

アカウントからサインアウトすると、iCloudに保存されているすべてのフォトストリームの写真とiCloud Driveの書類とデータがこのiPhoneから削除されます。

ですので、本来ならば以下の様に書くべきです。

アカウントからサインアウトすると、iCloudに保存されているすべてのフォトストリームの写真とiCloud Driveの書類とデータがこのiPhoneから削除されます。
ただし、このiPhoneに元からある写真、書類、データはそのまま残ります。

なぜこの様に不正確な警告メッセージを表示するのでしょうか?


2. 何故サインアウトするとマイフォトストリームとiCloud Driveからダウンロードされたファイルが消えるのか?


これも既にお伝えしています様に、フォトストリームやiCloud Driveからダウンロードされた写真やデータはiPhone内に実在しています。

にも関わらず、サインアウトするだけで、その実在しているファイルを何故消去する必要があるのでしょうか?

サインアウトする事によって、iCloudにアクセスできなくなるだけで良い筈です。

なぜダウンロードしたファイルを消す必要があるのでしょうか?

仮に、我々素人には予測できないシステム上の都合でこれらのファイルが消えるとしたら、なぜAppleはそれを防ぐ手立てを講じないのでしょう?

ダウンロードしたファイルは、ユーザーが意図しない限り機器に残るのが本来の姿です。

にも関わらず何故Appleは、ユーザー本位の仕様にしないのでしょうか?


3. 何故マイフォトストリームとiCloud Driveのファイルだけが消えるのか?


次に不思議なのは、なぜ

或いは何故この様な仰々しい警告メッセージが表示されるのか、等いくつかの疑問がどう考えても一つしかありません。

それは以下の警告メッセージを出したいためとしか考えられません。

これを読まれた方はまさかと思われるでしょうが、これ以外の理由を考えられるでしょうか。

しつこい様ですが、マイフォトストリームにしてもiCloud Driveにしても、iCloudというサーバーから送られてきたファイルは、歴然としてiPhoneのメモリーの中に存在しているのです。

ですからAppleアカウントをサインアウトしても、何もしなければそのファイルは決して消える事はないのです。

にも関わらず消えるという事は、Appleが何かしらの意図を持って消しているのは間違いありません。

好意的に見れば、iPhoneのメモリーを増やしてあげるためとも取れなくはありませんが、そんな事は余計なお世話で、iPhoneのメモリーが一杯になってからユーザーが消せば済む事です。

Appleが口出しする事ではありません。

口出しはおろか、手を出してユーザーのiPhoneからデーターを消すなど、もってのほかです。

にも関わらず、この様な暴挙をやる理由は、この脅しメッセージで、ユーザーがサインアウトするのを少しでも減らそうと考えていると推測するには十分な根拠があると思うのですが、いかがでしょうか?

Appleの様な大企業がそんな姑息な事をするとは思われないかもしれませんが、実は似た様な事は以前もあったのです。

もし興味がありましたら、こちら(やっと分かった、iPhone 6 SIMフリー販売中止の理由)をご覧下さい。


まとめ


まとめです。

①Apple アカウントをサインアウトする際表示される警告メッセージは、マイフォトストリームやiCloud Driveを使った記憶が無ければ無視して構わない


②仮に使った事があったとしても、転送元の機器にはその写真やデータは残っているので、やはり無視して構わない。

③マイフォトストリームやiCloud Driveからダウンロードしたデータが消されるのは、AppleがAppleアカウントのサインアウトを躊躇させるためとしか思えない。


本書がお役に立てば幸いです。





サインアウト警告文への対処方法

戻る

iCloudフォトライブラリとマイフォトストリームの違い

次へ

Apple Watch Series 4が売れない7つの理由

関連記事

iPhone 6 SIMフリー
販売中止の理由

”使用可能なバックアップがありません”の対処方法

iPhoneの正しい復元方法

複雑怪奇な
iPhone写真アプリの解説


ご意見、ご感想等ありましたら是非こちらに。
Your response would be highly appreciated.

新着情報




ホーム頁へ戻る

サイト紹介


分かり難いモバイル機器関連の話を、思い切り簡単に分かり易くお伝えする様に努力しています。

本サイト独自の話が満載ですので、もし宜しければ珈琲でも飲みながらお楽しみ下さい 。


▼ 1. Torque and Horse Power

2. Automobile

3. Wheel Alignment

4. Security Area

5. PC & HDD Area

▼ 6. Mobile Area

7. Science Area

▼ 8. Insurance Area

10. Sports Area

▼ 11. Emotional Area

▼ 12. Consumer Area